蒸気機関車 一覧表
蒸気機関車の形式
※1909年の鉄道国有法を受けて鉄道院の車両形式称号規定によって形式番号が制定された。
4桁の1から4999はタンク式機関車、5000から9999はテンダー式機関車とした。
下三桁は動軸数を表し、タンク式機関車の1から999を2軸、1000から3999を3軸、4000から4999を4軸以上とした。
3900から3999はアプト式、4500から4999はマレー式に付番される。
テンダー式機関車の5000から6999を2軸、7000から8999は3軸、9000から9999を4軸以上とした。
大量増備により規定の数字を超えてしまったため、例外も存在する。
※1928年10月1日に形式称号規定を改定して、新形式が付番された。
この形式付番では同軸数をアルファベットで表し、2軸をB、3軸をC、4軸をD、5軸をEとした。
次に2桁の数字で機関車の種類を表し、10から49はタンク式機関車、50から99をテンダー式機関車とした。
この改定に対し、一部の旧形式を付番を新形式に変更している。
18900形はC51形、8200形はC52形、9900形はD50形になった。
国鉄タンク式蒸気機関車
※タンク式機関車は石炭や水を本体に積載する方式で、車体が小さく小回りがきくこと、後進が容易なことなどの利点があるが、
石炭や水の積載量が少ないので、長距離を走れないという短所がある。
動軸数 | 形式 | 製造もしくは発注元 | 製造もしくは輸入年 | 両数 | 備考 |
2軸 | 960形 | 鉄道省浜松工場 | 1921年〜1923年 | 22両 | ※5300形より改造 |
1000形 | 鉄道省大宮工場、浜松工場、小倉工場 | 1924年〜1926年 | 36両 | ※6350形より改造 | |
1060形 | 鉄道省鷹取工場 | 1925年 | 7両 | ※6120形より改造 | |
1070形 | 鉄道省大宮工場、浜松工場、鷹取工場 | 1925年〜1928年 | 49両 | ※6200形、6270形より改造 | |
1150形 | 鉄道省浜松工場、鷹取工場 | 1927年〜1928年 | 19両 | ※6300形より改造 | |
B10形 | ※改造場所不明 | 1929年〜1930年 | 10両 | ※5500形より改造 | |
B20形 | 運輸通信省郡山工場、立山重工業 | 1944年〜1946年 | 15両 | ||
3軸 | 2000形 | マッファイ社(独)/岩越鉄道→国有化 | 1905年 | 1両 | ※4500形と同形機の単式 |
2100形 | ダブス社(英) | 1890年 | 6両 | ※24両が2700形に改造、5両が改造→3500形 | |
ダブス社(英)/日本鉄道が発注→国有化 | 1891年 | 6両 | |||
ダブス社(英)/関西鉄道が発注→国有化 | 1896年 | 3両 | |||
ノース・ブリティッシュ・ロコモティブ社(英)/関西鉄道が発注→国有化 | 1903年 | 2両 | |||
2120形 | ダブス社(英) | 1898年、1902年 | 18両 | ※3両を台湾総督府鉄道部、4両は北海道鉄道、 11両は日本鉄道から鉄道院 |
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シャープ・スチュアート社(英) | 1899年 | 18両 | |||
鉄道作業局神戸工場 | 1899年、1902年 | 10両 | |||
ノース・ブリティッシュ・ロコモティブ社(英) | 1903年、1905年 | 222両 | |||
2400形 | ベルリン機械製造(シュバルツコッフ社)(独) | 1904年 | 12両 | ||
ハノーファー機械工業(ハノマーグ社)(独) | 1904年 | 6両 | ※3両は清国国有奉新鉄道、芸備鉄道→鉄道院 | ||
ヘンシェル・ウント・ゾーン社(独) | 1904年、1905年 | 57両 | |||
2500形 | ボールドウィン社(米) | 1904年 | 166両 | ||
2700形 | 鉄道院新橋工場、長野工場、浜松工場 | 1912年〜1914年 | 24両 | ※2100形より改造 | |
2900形 | 鉄道院四日市工場、鷹取工場 | 1912年 | 17両 | ※2100形、2120形、2500形より改造 | |
3500形 | 鉄道院神戸工場、新橋工場 | 1910年〜1911年 | 5両 | ※2100形より改造 | |
C10形 | 川崎車輛、汽車製造/鉄道省 | 1930年 | 23両 | ||
C11形 | 汽車製造、川崎車輛、日立製作所、日本車輌製造/鉄道省 | 1932年〜1947年 | 381両 | ※製造時期による区分:1次形1〜23、2次形24〜140、 3次形141〜246、4次形247〜381 同形機、京南鉄道2両、日本炭鉱高松鉱業所2両、松尾鉱業1両、 樺太人造石油2両、宇部油化工業1両、内淵人造石油3両、 東武鉄道1両、雄別炭礦尺別専用鉄道1両、江若鉄道1両、 三井鉱山芦別鉱業所専用鉄道3両、同和鉱業片上鉄道3両 |
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C12形 | 川崎車輛、汽車製造、日立製作所、日本車輌製造、 三菱重工業/鉄道省 |
1932年〜1940年、1947年 | 282両 | ※同形機、大井川鉄道1両、三菱石炭油化工業1両、小倉鉄道4両、 日本窒素海南興業石碌鉄道2両、定山渓鉄道1両、相模鉄道2両、 常総鉄道1両、播丹鉄道1両、南薩鉄道3両、同和鉱業片上鉄道1両、 土佐電気鉄道1両、島原鉄道5両、日本炭鉱2両、台湾総督府鉄道→ 台湾鉄路管理局7両、樺太庁鉄道、恵須取鉄道4両、樺太人造石油1両 |
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4軸 | 4100形 | マッファイ社(独) | 1912年 | 4両 | ※同形機、台湾総督府鉄道11両、三菱鉱業美唄鉄道3両 |
4110形 | 川崎造船所/鉄道院 | 1914年、1917年 | 39両 | ※4100形と同形機 | |
4500形 | マッファイ社(独)/日本鉄道が購入→国有化 | 1903年 | 1両 | ※マレー式 | |
4510形 | マッファイ社(独)/北海道鉄道が購入→国有化 | 1905年 | 1両 | ※4500形と同形機 | |
E10形 | 汽車製造/運輸省 | 1948年 | 5両 |
国鉄テンダー式蒸気機関車
※テンダー式機関車はテンダーと呼ばれる炭水車を機関車の後方に連結し、石炭や水を別に積載する方式。
石炭や水を多く積むことが出来るため長距離運転が可能だが、車体が大きいため小回りがきかないことやバック運転が出来ないなどの短所がある。
動軸数 | 形式 | 製造もしくは発注元 | 製造もしくは輸入年 | 両数 | 備考 |
2軸 | 5300形 | ベイヤー・ピーコック社(英) | 1882年〜1890年 | 24両 | ※22両がタンク式に改造→960形、2両を東武鉄道に譲渡、 同形機、日本鉄道、山陽鉄道→国有化 |
5400形 | ニールソン社(英) | 1889年 | 8両 | ※5300形と同形機 | |
5450形 | ダブス社(英) | 1890年 | 2両 | ※5300形と同形機 | |
5480形 | 山陽鉄道兵庫工場 | 1903年 | 2両 | ※5400形を模倣して製造 | |
5500形 | ベイヤー・ピーコック社(英) | 1893年〜1898年 | 72両 | ※同形機、日本鉄道、総武鉄道、東武鉄道、 10両がタンク式に改造→B10形 |
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5630形 | ニールソン(ネルソン)社(英)/日本鉄道が発注→国有化 | 1893年 | 5両 | ※5500形と同形機 | |
ニールソン(ネルソン)社(英) | 1896年 | 6両 | |||
5650形 | シャープ・スチュアート社(英)/日本鉄道が発注→国有化 | 1898年 | 6両 | ※5500形と同形機 | |
6050形 | 山陽鉄道兵庫工場 | 1906年 | 1両 | ※山陽鉄道16形(国有化後の6120形)を改造 | |
6120形 | スケネクタディ社(米)/山陽鉄道が発注→国有化 | 1900年 | 8両 | ※1両を山陽鉄道兵庫工場で改造→国有化で6050形に改称 7両をタンク式に改造→1060形 |
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6200形 | ニールソン(ネルソン)社(英) | 1897年、1900年 | 50両 | ※15両を改造→6250形、25両をタンク式に改造→1070形 10両を東武鉄道に譲渡 |
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6250形 | 鉄道院、鉄道省浜松工場 | 1915年〜1924年 | 16両 | ※6200形、6270形より改造 | |
6270形 | ダブス社(英) | 1900年、1902年 | 25両 | ※6200形と同形機、1両を改造→6250形、 24両をタンク式に改造→1070形 |
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6300形 | アメリカン・ロコモティブ(アルコ)社(米) | 1908年 | 24両 | ※6200形と同形機、19両がタンク式に改造→1150形 | |
6350形 | ハノーバー社(独) | 1908年 | 36両 | ※6200形と同形機、全機がタンク式に改造→1000形 | |
6700形 | 汽車製造/鉄道院 | 1911年〜1912年 | 46両 | ※27両を加熱式に改造→B50形 | |
6750形 | 川崎造船所/鉄道院 | 1913年 | 6両 | ||
6760形 | 川崎造船所/鉄道院 | 1915年〜1918年 | 88両 | ||
3軸 | 8620形 | 汽車製造、川崎造船所、日本車輌製造、日立製作所、 三菱造船所/鉄道院、鉄道省 |
1914年〜1929年 | 672両 | ※愛称「ハチロク」、同形機、樺太庁鉄道15両、 台湾総督府鉄道43両、北海道拓殖鉄道2両。 |
8700形 | ノース・ブリティッシュ・ロコモティブ社(英) | 1911年 | 12両 | ||
汽車製造/鉄道院 | 1912年〜1913年 | 18両 | |||
8800形 | ベルリーナ(シュワルツコップ)社(独) | 1911年 | 12両 | ||
8850形 | ボルジッヒ社(独) | 1911年 | 12両 | ||
川崎造船所/鉄道院 | 1913年 | 12両 | |||
8900形 | アメリカン・ロコモティブ(アルコ)社(米) | 1911年 | 36両 | ||
C50形 | 三菱造船所、汽車製造、川崎車輛、日本車輌、日立製作所/鉄道省 | 1923年〜1933年 | 154両 | ※同形機、樺太庁鉄道4両 | |
C51形 | 鉄道院(後に鉄道省)浜松工場、汽車製造、 三菱造船所/鉄道院、鉄道省 |
1919年〜1928年 | 289両 | ※旧形式名:18900形 | |
C52形 | アメリカン・ロコモティブ(アルコ)社(米) | 1925年 | 6両 | ※旧形式名:8200形 | |
C53形 | 汽車製造、川崎車輛/鉄道省 | 1928年〜1929年 | 97両 | ||
C54形 | 汽車製造、川崎車輛/鉄道省 | 1931年 | 17両 | ||
C55形 | 川崎車輛、汽車製造、三菱重工業、日立製作所/鉄道省 | 1935年〜1937年 | 62両 | ||
C56形 | 川崎車輛、汽車製造、日立製作所、日本車輌製造、 三菱重工業/鉄道省 |
1935年〜1939年 | 160両 | ※愛称「シゴロク」、「ポニー」、 同形機、樺太庁鉄道4両、雄別鉄道1両 |
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C57形 | 川崎車輛、汽車製造、三菱重工業、日立製作所 /鉄道省、運輸通信省、運輸省 |
1937年〜1947年 | 201両 | ※愛称「シゴナナ」、「貴婦人」、 同形機、台湾総督府鉄道→台湾鉄路管理局14両 |
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C58形 | 汽車製造、川崎車輛/鉄道省、運輸通信省、運輸省 | 1938年〜1947年 | 427両 | ※同形機、樺太庁鉄道147両C51形→C58形、 天塩炭礦鉄道2両、三井芦別鉄道2両 |
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C59形 | 川崎車輛、汽車製造、日立製作所/鉄道省、運輸省 | 1941年〜1943年、 1946年〜1947年 |
173両 | ※47両がC60形に改造 | |
C60形 | 国鉄浜松工場、郡山工場 | 1953年〜1955年、 1960年〜1961年 |
47両 | ※C59形より改造 | |
C61形 | 三菱重工業、日本車輌製造 | 1947年 | 33両 | ※D51形より改造 | |
C62形 | 日立製作所、川崎車輛(現・川崎重工業)にて改造 | 1948年〜1949年 | 49両 | ※D52形より改造、愛称「シロクニ」 | |
C63形 | − | − | 0両 | ※計画中止により製造されず | |
4軸 | 9020形 | アメリカン・ロコモティブ(アルコ)社(米) | 1911年 | 6両 | ※マレー式 |
9550形 | 川崎造船所/鉄道院 | 1912年 | 12両 | ||
9580形 | 川崎造船所/鉄道院 | 1912年 | 12両 | ※9600形から9580形に改称 | |
9600形 | 川崎造船所、汽車製造、国鉄小倉工場/鉄道院、鉄道省 | 1913年〜1941年 | 770両 | ※愛称「キューロク」、同形機、三菱鉱業大夕張鉄道2両、 三菱石炭油化工業2両、夕張鉄道1両、樺太鉄道80形9両、 樺太庁鉄道D50形5両、台湾総督府鉄道E800形39両 |
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9750形 | アメリカン・ロコモティブ社(米) | 1912年 | 24両 | ※マレー式 | |
9800形 | ボールドウィン社(米) | 1912年 | 18両 | ※マレー式 | |
9850形 | ヘンシェル・ウント・ゾーン社(独) | 1912年 | 12両 | ※マレー式 | |
D50形 | 川崎造船所、汽車製造、日本車輌製造、日立製作所/鉄道省 | 1923年〜1931年 | 380両 | ※愛称「デコマル」、旧形式名:9900形 | |
D51形 | 川崎車輛、汽車製造、日立製作所、日本車輌製造、三菱重工業、 国有鉄道浜松工場、大宮工場、鷹取工場、小倉工場、長野工場、 土崎工場、郡山工場、苗穂工場/鉄道省、運輸通信省 |
1936年〜1945年 | 1107両 | ※製造時期による区分:初期形1〜85、91〜100、 標準形86〜90、101〜984、戦時形1001〜1161、 愛称「デゴイチ」、同形機、恵須取鉄道2両、胆振縦貫鉄道5両、 日本窒素1両、台湾総督府鉄道・台湾鉄路管理局32両、 ソビエト連邦(サハリン)向け輸出車30両、 台湾鉄路管理局向けに輸出機5両 |
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D52形 | 汽車製造、日本車輌製造、川崎車輛、日立製作所、三菱重工業、 国有鉄道浜松工機部、鷹取工機部/運輸通信省 |
1943年〜1945年 | 285両 | ※492両製作予定→終戦により285両で終了 | |
D60形 | 国鉄浜松工場、長野工場、土崎工場 | 1951年〜1956年 | 78両 | ※D50形より改造 | |
D61形 | 国鉄浜松工場、郡山工場 | 1959年〜1961年 | 6両 | ※D51形より改造 | |
D62形 | 国鉄浜松工場 | 1950年〜1951年 | 20両 | ※D52形より改造 |
民間、軽便鉄道の蒸気機関車
※軽便鉄道でも多くの蒸気機関車が使用された。
所属 | 形式 | 製造元 | 製造年 | 両数 | 備考 |
日本陸軍鉄道連隊 | K2形 | 川崎車輛 | 1942年〜1944年 | 不明 | ※600mm軌間用サイドタンク機 |
所属 | 形式 | 製造元 | 製造年 | 両数 | 備考 |
川崎製鉄(現・JFEスチール) | NUS6 | 川崎車輛 | 1953年 | 1両 | ※1968年まで川崎製鉄千葉製鉄所→千葉市菰池公園静態保存 |
川崎製鉄(現・JFEスチール) | NUS7 | 川崎車輛 | 1953年 | 1両 | ※1968年まで川崎製鉄千葉製鉄所→千葉市稲岸公園静態保存 |
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