第三セクター鉄道



 三陸鉄道株式会社/岩手県盛岡市

三陸鉄道は国鉄再建法によって廃止されることが決定した盛線、宮古線、久慈線を引き継ぎ、
1981年11月10日に設立された第三セクターである。
また日本鉄道建設公団が建設中だった吉浜−釜石、田老−普代間も引き受けた。
1984年4月1日に北リアス線、南リアス線を開業させた。
累積する赤字に苦しめられ、廃止の危機もあったが、
岩手県と沿線12市町村が財政支援を表明し、
2007年8月19日に三陸鉄道再出発宣言を行った。

 北リアス線/宮古−久慈71.0km
 南リアス線/盛−釜石36.6km

主要株主/岩手県 48.0%
       宮古市 4.2%
       岩手銀行 4.0%
       大船渡市 3.8%
       新日本製鐵 3.3%
       東北電力 3.3%
       一関市 2.3%
       久慈市 2.2%
       釜石市 2.2%
       その他 26.7%


 山形鉄道株式会社/山形県長井市

山形鉄道は特定地方交通線に選定され、廃止が決まった長井線を引き受けて、
山形県や沿線地方自治体などが出資して設立されたする第三セクターである。
1988年4月20日に設立され、同年10月25日にJR東日本から長井線を引き継いだ。
転換に当たって路線名をフラワー長井線と変更した。

 フラワー長井線/赤湯−荒砥30.5km

主要株主/山形県 31.35%
       長井市 12.56%
       南陽市 7.52%
       白鷹町 7.21%
       ケミコン山形(株)2.11%
       川西町 2.09%
       ハイマンロンド協同組合 2.09%
       山形中央信用組合 2.09%
       (株)ウンノハウス 2.09%
       その他 30.88%


 阿武隈急行株式会社/福島県伊達郡梁川町

阿武隈急行は未完成だった国鉄丸森線を引き継いで誕生した第三セクターである。
丸森線は東北本線のバイパス線として槻木から丸森を経由して福島に至る路線として計画され、
1968年4月1日に槻木−丸森間の17.4kmが非電化路線として開業した。
しかし1980年の国鉄再建法により、第1次特定地方交通線として工事は凍結され、
翌年9月11日に廃止が承認された。
それを受けて宮城県と福島県が中心となり、阿武隈急行が設立され、
丸山線を引き継いで阿武隈急行線として1986年7月1日に転換開業した。
1988年7月1日には丸森から福島までの37.5kmも完成して全通し、
また同時に交流電化も達成した。

 阿武隈急行線/福島−槻木54.9km

主要株主/福島県 28.0%
       宮城県 25.6%
       福島交通 20.0%
       福島市 6.1%
       伊達市 5.2%
       角田市 5.0%
       丸森町 3.6%
       仙台市 1.3%
       柴田町 0.7%
       名取市 0.7%
       岩沼市 0.7%
       白石市 0.5%
       その他9人 2.5%


 秋田内陸縦貫鉄道株式会社/秋田県北秋田郡阿仁町

国鉄の特定地方線である角館線、阿仁合線を引き継いで設立された第三セクターである。
阿仁合線は1934年12月から1963年10月までに敷設された、
鷹ノ巣から比立内までの46.1kmで、
角館線は1971年11月に敷設された角館から松葉までの19.2kmである。
この二つの路線は鷹角線として直通する予定だったが、
国鉄再建法施行により工事は凍結、二つの路線も廃止予定線になってしまった。
それを受けて1984年10月31日に秋田内陸縦貫鉄道が設立、
1986年11月1日に廃止になった角館線、阿仁合線を国鉄から譲り受け、
鷹巣−比立内間を秋田内陸北線、松葉−角館間を秋田内陸南線として開業した。
また念願だった比立内−松葉間を1989年11月1日に開通して全通した。

 秋田内陸線/鷹巣−角館間94.2km

主要株主/秋田県 38.6%
       北秋田市 22.7%
       仙北市 15.4%
       その他の自治体 0.5%
       秋田銀行 4.0%
       北都銀行 4.0%
       その他の民間 14.8%


 由利高原鉄道株式会社/秋田県由利郡矢島町

由利高原鉄道は1985年10月1日に秋田県や沿線市町村が出資して設立された第三セクターで、
第1次特定地方交通線として廃止されることになった国鉄矢島線を引き継ぎ、鳥海山ろく線として開業した。
鳥海山ろく線は羽越本線羽後本荘と矢島までの非電化単線23.0kmである。
もともとこの路線は横手から本庄までを結ぶ路線を計画した横荘鉄道の一部が、
1937年9月1日に国に買収され、その後矢島まで延伸された。
本庄から施設された西線は買収となったが、横手からの東線は買収されず、
雄勝鉄道、羽後交通を経て1971年に廃止された。

 鳥海山ろく線/羽後本荘−矢島23.0km

主要株主/秋田県 38.5%
       由利本荘市 38.5%
       由利建設業協会 8%
       その他


 会津鉄道株式会社/福島県会津若松市

国鉄再建法により第二次特定地方交通線に指定された会津線を引き継ぎ設立された第三セクターで、
1986年11月10日に会社設立され、JR東日本の会津線を引き継いで開業した。
1990年には会津田島−会津高原間を電化して野岩鉄道や東武鉄道との直通運転も開始された。

 会津線/西若松−会津高原57.4km

主要株主/福島県 31.67%
       会津若松市 8.99%
       日本政策投資銀行 5.33%
       南会津町 5.15%
       東邦銀行 4.58%
       下郷町 2.94%
       東武鉄道 2.67%
       会津信用金庫 2.00%
       東北電力 2.00%
       福島銀行 1.67%
       大東銀行 1.67%
       その他 31.34%


 仙台空港鉄道株式会社/宮城県名取市

仙台空港へのアクセス鉄道として2000年4月7日に設立された。
2007年3月18日の仙台空港開業に合わせて、
JR東北本線名取駅から分岐して仙台空港にアクセスする仙台空港線を敷設した。
仙台空港線は空港開業と同時に開業し、
JR仙台から直通する列車が定期運転されている。

 仙台空港線/名取−仙台空港7.1km

主要株主/宮城県 53.34%
     仙台市 16.13%
     名取市 6.10%
     東日本旅客鉄道 5.08%
     その他117団体


 北越急行株式会社/新潟県南魚沼郡六日町

北越北線の名で工事が進められ、開通することなく「国鉄経営再建促進特別措置法」による中止された路線を受け継ぎ、
新潟県や地元上越市、十日町市、湯沢町、南魚沼市、津南町及び地元企業によって設立された第三セクター。
1983年8月30日に設立され、1997年にはほくほく線全線が開業した。
非電化単線の計画線を電化・高規格化して建設し、在来線では初めて特例として160km/hの運転が許されている。
越後湯沢から金沢などを結ぶ特急「はくたか」は首都圏と北陸方面を結ぶ乗り継ぎ線として人気を博していて、
第三セクターでは珍しく黒字を計上している。

 ほくほく線/六日町−犀潟59.5km

主要株主/新潟県 54.84%
       上越市 13.18%
       十日町市 10.33%
       第四銀行 5.0%
       北越銀行 3.33%
       東北電力 3.33%、他


 しなの鉄道株式会社/長野県長野市

北陸新幹線の高崎から長野までの区間、通称長野新幹線が1997年10月1日に開業の際、
並行在来線の経営分離により、軽井沢−篠ノ井間を引き継いで誕生した。
同時に経営分離された横川−軽井沢間はEF63型重連による補機を必要としていたため、廃止された。
1996年5月1日に設立され、長野新幹線開業と同時にしなの鉄道線が開業した。

 しなの鉄道線/軽井沢−篠ノ井駅65.1km

主要株主/長野県 75.36%
       長野市 3.98%
       その他沿線8市町 10.93%
       八十二銀行 2.75%
       その他6金融機関 3.81%
       交通事業者4社 2.96%
       その他 0.21%
 ※2008年3月31日現在


 野岩鉄道株式会社/栃木県日光市

野岩鉄道は日本鉄道建設公団の建設線である野岩線のうち、
建設が進んでいながら国鉄再建法で工事が凍結された藤原−会津滝ノ原間を受け継ぎ、
工事を完成させて運営することとなった第三セクターである。
企業設立は1981年11月20日で、1982年1月16日から工事を再開、
1986年10月9日に開通し、路線名を会津鬼怒川線とした。
1990年10月12日から会津鉄道会津線と直通運転を開始した。
社名の“野岩”は栃木県の旧国名“下野国(しもつけのくに)”の「野」と、
福島県の旧国名“岩代国(いわしろのくに)”の「岩」が由来となっている。

 会津鬼怒川線/新藤原−会津高原尾瀬口30.7km

主要株主/福島県、栃木県、東武鉄道、日光市、その他


 真岡鐵道株式会社/栃木県真岡市

旧国鉄特定地方交通線の真岡線を引き継いで1987年10月12日に設立した、
栃木県と地元自治体などの出資による第三セクタである。
1988年4月11日にJR東日本から真岡線を引き継いで開業した。
真岡線はもともと1912年4月1日に開業した真岡軽便が礎で、
1920年12月15日には茂木まで全通した。
C11型とC12型の2両の蒸気機関車を保有しており、
「SLもおか号」として土日を中心に運転している。

 真岡線/下館−茂木41.9km

主要株主/栃木県 22.4%
       真岡市 10.4%
       筑西市 7.6%
       足利銀行 4.8%
       常陽銀行 4.0%
       益子町 3.8%
       市貝町 3.0%
       二宮町 2.6%
       茂木町 2.6%
       はが野農業協同組合 2.0%
       真岡信用組合 2.0%
       栃木銀行 1.2%
       東野交通 0.8%
       その他 32.4%
 ※2007年3月31日現在


 わたらせ渓谷鐵道株式会社/群馬県山田郡大間々町

国鉄再建法の第2次特定地方交通線である足尾線を引き継いだ第三セクターである。
足尾線は足尾銅山で産出される鉱石輸送のために1911年に足尾鐵道によって開業された。
翌年の1912年には足尾まで延伸開業したが、1913年10月13日には国が借り入れ、
1918年6月1日には正式に買収、国有化された。
しかし足尾銅山の産出量が減少すると足尾線の輸送量も減少し、
1984年9月11日に廃止が承認され、
国鉄分割民営化後にJR東日本に引き継がれ、
1989年3月29日に足尾線は廃止され、同時にわたらせ渓谷鐵道に引き継がれた。
同時に間藤−足尾本山間は事実上廃止された。

 わたらせ渓谷線/桐生−間藤44.1km

主要株主/群馬県 16.66%
       みどり市 9.57%
       桐生市 8.00%
       日光市 6.69%


 鹿島臨海鉄道株式会社/茨城県東茨城郡大洗町

国、茨城県が中心となって1969年4月1日に設立された第三セクターである。
旧国鉄鹿島線の一部を受け継いだ水戸−鹿島サッカースタジアム間の大洗鹿島線53.0kmのほか、
鹿島サッカースタジアム−奥野谷浜間19.2kmの貨物線鹿島臨港線を持つ。
大洗鹿島線は非電化路線でJR鹿島線鹿島神宮までの直通運転を行っている。

 大洗鹿島線/水戸−鹿島サッカースタジアム53.0km

主要株主/日本貨物鉄道 37.5%
       茨城県 28.5%
       住友金属工業 4.9%
       三菱化学 4.5%
       全国農業協同組合連合会ほか188団体
 ※2007年7月1日現在


 ひたちなか海浜鉄道株式会社/茨城県ひたちなか市

茨城交通湊線を引き継いで2008年4月1日に設立された第三セクターである。
もともと茨城交通は1921年に設立し、袴塚-湊間の水浜線を敷設した水浜電車と、
1923年に設立し、赤塚-御前山間の茨城線を敷設した茨城交通と、
1907年に設立し、勝田-阿字ヶ浦線の湊線を敷設した湊鉄道が、
戦時中の1944年8月1日、茨城県内の交通統合に伴い、合併して誕生した。
しかし水浜線は1966年6月1日に全廃、茨城線は1971年3月11日に全廃された。
残った湊線も廃止の方向で検討が進められたが、
ひたちなか市との第三セクターを設立することで存続されることが決まった。

 湊線/勝田−阿字ヶ浦14.3km

主要株主/ひたちなか市 51%
       茨城交通 49%


 埼玉高速鉄道株式会社/埼玉県さいたま市

帝都高速度交通営団(現・東京メトロ)南北線の埼玉延伸のため1992年3月25日に設立された。
当初は2006年開業を目指していたが、
埼玉スタジアム2002がFIFAワールドカップの開催会場の一つとして選ばれたことから、
工期を短縮して2001年3月28日に埼玉高速鉄道線、愛称彩の国スタジアム線が開業した。

 埼玉高速鉄道線(彩の国スタジアム線)/赤羽岩淵−浦和美園14.6km

主要株主/埼玉県、東京地下鉄、川口市、さいたま市、鳩ヶ谷市
       埼玉りそな銀行、日本政策投資銀行、
       東武鉄道、西武鉄道、国際興業など


 いすみ鉄道株式会社/千葉県夷隅郡大多喜町

JR外房線大原から房総半島内陸部の上総中野までを結ぶいすみ線を運営する第三セクターで、
地元沿線の自治体が出資して1987年7月7日に設立した。
いすみ線は国鉄特定地方交通線となった木原線をいすみ鉄道が引き継いだものである。
木原線は外房線の大原から上総中野に至り、内房線の木更津までを結ぶ房総横断線として企画され、
1930年4月1日に大原−大多喜間が部分開業した。
この区間には千葉県営人車軌道の大多喜線が1912年に開業したが、
勾配区間が多くて人力では営業が難しく、
民間に払い下げられた後に1922年に夷隅軌道として営業された。
夷隅軌道は国鉄木原線の建設決定を受けて1927年9月1日に廃止された。
久原線はその後1934年8月26日には上総中野まで延伸した。
木原線の木更津側は千葉県営人車軌道大多喜線と同じく、
1912年に開業した千葉県営鉄道久留里線が、
木原線のために1923年9月1日に国有化された。
千葉県営鉄道久留里線が開業させた木更津−久留里間に加え、
1936年3月25日には上総亀山まで延伸したが、
その先は急勾配区間のため開業には至らず、木原線は東西が結ぶことはなかった。
1981年9月11日には国鉄再建法施行の第1次特定地方交通線に指定され、
1987年4月1日にはJR東日本に一度継承された後に、
1988年3月24日に木原線は廃止され、同日にいすみ鉄道いすみ線として開業した。

 いすみ線/大原−上総中野26.8km

主要株主/千葉県 34.20%
       大多喜町 15.16%
       いすみ市 14.27%
       小湊鐵道 5.57%
       千葉銀行 3.71%


 東葉高速鉄道株式会社/千葉県八千代市

営団地下鉄(現・東京メトロ)の延伸路線として計画された西船橋−勝田台の区間を受け継ぎ、
地元の千葉県、船橋市、八千代台市や京成、東武、新京成、営団地下鉄などが株主となって設立した第三セクター。
会社設立は1981年9月1日だが全線開業したのは1996年4月27日になってからである。
用地買収などが思ったより難航し、開業に15年もかかってしまった。
一部を除いて東京メトロ東西線と直通する。

主要株主/千葉県 26.4%
        船橋市 24.2%
        八千代市 23.0%
        東京地下鉄、京成電鉄、東武鉄道、新京成電鉄、みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行、6社計 21.3%
        その他22者 5.0%
 ※2007年4月1日現在

 東葉高速線/西船橋−東葉勝田台16.2km


 芝山鉄道株式会社/千葉県山武郡芝山町

成田国際空港が中心となって千葉県、京成電鉄、日本航空、芝山町などが出資して出来た第三セクターである。
1981年5月1日設立され、京成電鉄東成田から芝山千代田間2.2kmを所有する日本一短い鉄道である。
芝山地区の鉄道施設は成田空港建設の見返りとして約束されたものであるが、
空港反対派などの妨害工作により開業は2002年10月27日になってしまった。

 芝山鉄道線/東成田−芝山千代田間2.2km

主要株主/成田国際空港株式会社 68.39%
       千葉県 14.59%
       株式会社日本航空インターナショナル 3.46%
       京成電鉄株式会社 3.46%
       株式会社みずほコーポレート銀行 1.48%
       その他
 ※2006年3月31日現在


 東京臨海高速鉄道株式会社/東京都江東区

東京臨海高速鉄道は東京都が90%以上の株式を所有する第三セクター鉄道であり、
そのほかJR東日本、品川区、銀行11社、証券会社10社、生保会社15社、損保会社9社、その他5社が出資している。
現在のりんかい線は国鉄が東京外環状線の一部となる京葉貨物線として計画され、
工事が完成していたにも拘わらず、旅客転用されなかった新木場から東京貨物ターミナルまでを引継ぎ、
旅客線として開業させるために設立された。
この時、東京臨海副都心地区ので開催が予定されていた世界都市博覧会の輸送を担うことも期待されていたが、
都市博は1995年に中止が決定された。
第1期区間として新木場−東京テレポート間が1996年3月30日に開通した。
開業当時の路線名は臨海副都心線であったが、2000年からりんかい線に改称された。
新規工事も行われ、2001年3月31日には天王洲アイルまで延伸、
2002年12月1日には大崎まで延伸し、埼京線との相互乗り入れも開始された。

 りんかい線/新木場−大崎12.2km

主要株主/東京都 91.32%
       東日本旅客鉄道(株) 2.41%
       品川区 1.77%
       みずほ銀行 0.70%
       その他48団体 3.80%
※2008年10月1日現在


 成田空港高速鉄道株式会社/東京都中央区

東京と成田空港を結ぶ成田新幹線を建設するため、成田空港内の施設は完成されていたが、
地元住民の強い反対により計画は頓挫してしまった。
成田空港のアクセスの悪さに時の運輸大臣であった石原慎太郎氏の提言で、
JR東日本、京成電鉄が成田空港に直接乗り入れるために成田高速鉄道が設立された。
1988年10月28日に設立され、JR成田線、京成電鉄本線から分岐する路線を敷設、
1991年3月19日に開業した。

 JR東日本成田線空港支線/成田線分岐点−成田空港8.7km(第3種鉄道事業)
 京成電鉄京成本線・駒井野信号場−成田空港2.1km(第3種鉄道事業)

主要株主/JR東日本 33%
       京成電鉄 33%
       日本航空インターナショナル 10%
       その他


 横浜高速鉄道株式会社/神奈川県横浜市

横浜高速鉄道はみなとみらい21線の事業主体として1989年3月29日に設立された。
横浜市が6割以上を出資して設立され、1990年4月19日には第一種鉄道事業免許を取得、
1992年11月から建設を開始、2004年2月1日に開業した。
開業に当たり、直通する東急東横線の横浜−桜木町間を廃止した。
1997年8月1日にこどもの国線を通勤線化するに当たり、
社会福祉法人こどもの国協会から施設を譲り受けて同線の第三種鉄道事業者となる。
2000年3月29日にこどもの国線の通勤線化が完了した。

 みなとみらい21線/横浜−元町・中華街4.1km
 こどもの国線/長津田−こどもの国3.4km(第三種鉄道事業者)、第二種鉄道事業者は東京急行電鉄。

主要株主/横浜市 63.48%
       神奈川県、東京急行電鉄、三菱地所、日本政策投資銀行、京浜急行電鉄
       都市再生機構、横浜銀行、相模鉄道、東京電力


 天竜浜名湖鉄道株式会社/静岡県天竜市

天竜浜名湖鉄道は国鉄の特定地方交通線二俣線を引継ぎ、
天竜浜名湖線を運営する第三セクターである。
1986年8月18日に設立し、1987年3月15日より天竜浜名湖線を開業した。

 天竜浜名湖線/掛川−新所原67.7km

主要株主/静岡県39.7%
     浜松市19.5%
     掛川市7.5%
     湖西市5.2%
     森町4.5%
     豊橋市0.6%、他


 樽見鉄道株式会社/岐阜県本巣市

樽見鉄道は国鉄特定地方交通線だった樽見線を引き継いで誕生した第三セクターである。
樽見線は1956年3月20日に大垣から谷汲口までが開業し、
1958年4月29日に美濃神海(現・神海)まで延伸された。
しかし1981年9月18日に第1次特定地方交通線として廃止が承認された。
これを受けて1984年2月1日に樽見鉄道が設立され、
同年10月6日に樽見線を転換して開業させた。
未完成だった神海から樽見までは旧日本鉄道建設公団建設線であったが、
7割ほどが完成していたことからここも引継ぎ、
1989年3月25日に延伸開業した。

 樽見線/大垣−樽見34.5km

主要株主/西濃鉄道51%
       住友大阪セメント24%
       岐阜県12.0%


 明知鉄道株式会社/岐阜県恵那郡明智町

旧国鉄特定地方交通線の明知線を引き継いで岐阜県などが出資して誕生したする第三セクターである。
1985年5月21日に設立され、同年11月16日に開業した。
開業時に終点の「明知」を地名に合わせて「明智」に変更した。

 明知線/恵那−明智25.1km

主要株主/岐阜県 32.5%
       恵那市 28.5%
       中津川市 5.0%
       岐阜銀行 0.25%


 長良川鉄道株式会社/岐阜県関市

長良川鉄道は国鉄特定地方交通線だった越美南線を受け継ぎ、
運営している第三セクターである。
越美南線は1923年10月5日に美濃太田から美濃町(現・美濃市)までが開業、
1926年7月15日に板取口(現・湯の洞温泉口)まで延伸、
1927年4月10日に美濃洲原(現・母野)まで延伸、同年10月9日に美濃下川(現・大矢)まで延伸、
1928年5月6日に深戸まで延伸、1929年12月8日に郡上八幡まで延伸、
1932年7月9日に美濃弥富(現・郡上大和)まで延伸、1933年7月5日に美濃白鳥まで延伸、
1934年8月16日に現在の開業区間である北濃まで延伸、全通した。
もともとは越美線として越美北線と直通する予定だったが、
二つの路線は繋がることなく1984年6月22日には第2次特定地方交通線として廃止が承認された。
これを受けて1986年8月28日に長良川鉄道が設立、越美南線を継承し、
同年12月11日に国鉄より越美南線を継承して開業した。
台風や豪雪により長期の運休などもあり、経営は困難である。

 越美南線/美濃太田−北濃72.1km

主要株主/岐阜県27.5%
       郡上市14.2%
       関市5.0%
       めぐみの農業協同組合4.0%
       美濃加茂市3.7%
       美濃市3.2%
       シーエヌ建設2.2%
       西濃鉄道1.7%
       大垣共立銀行1.7%
       十六銀行1.5%
       岐阜銀行0.5%
       その他34.5%


 愛知環状鉄道株式会社/愛知県岡崎市

旧国鉄特定地方交通線の岡多線と旧日本鉄道建設公団建設線をを引き継いで誕生した第三セクターである。
愛知県が中心となり、地元自治体などが出資して1986年9月19日に誕生した。
第三セクター式鉄道会社が路線廃止などの苦境に喘いでる中で、
数少ない黒字経営をしている鉄道会社である。

 愛知環状鉄道線/岡崎−高蔵寺45.3km

主要株主/愛知県 40.30%
       豊田市 18.70%
       瀬戸市 9.00%
       岡崎市 7.80%
       春日井市 3.00%


 名古屋臨海高速鉄道株式会社/愛知県名古屋市

あおなみ線は名古屋から金城ふ頭の15.2kmを結ぶ、
名古屋市や愛知県、JR東海などが出資する第三セクターである。
正式社名は「名古屋臨海高速鉄道」、正式路線名は「西名古屋港線」だが、
一般公募で決まった「あおなみ線」で統一されている。
国鉄時代に東海道本線貨物支線として出来た西名古屋港線を旅客転用するため、
1997年12月2日に名古屋臨海高速鉄道が設立され、
2004年10月6日にあおなみ線として開業した。

 名古屋港線/名古屋−金城ふ頭15.2km

主要株主/名古屋市 56.5%
       愛知県 11.4%
       東海旅客鉄道 10.0%
       その他、計3団体16企業


 伊勢鉄道株式会社/三重県鈴鹿市

伊勢鉄道は国鉄の特定地方交通線だった伊勢線を転換して誕生した第三セクターである。
伊勢線は1973年9月1日に関西本線南四日市から紀勢本線津までが開業した。
しかし1984年6月22日には第2次特定地方交通線として廃止が決定、
同年9月に第三セクターへの転換が決まり、三重県が中心となって出資し、
1986年10月1日に伊勢鉄道が設立、1987年3月27日に転換された。
転換に際して起点を河原田に変更した。

 伊勢線/河原田−津22.3km

主要株主/三重県40.0%
       (株)ダイヘン13.9%


 万葉線株式会社/富山県高岡市

万葉線は北陸本線高岡駅から越ノ潟までを結ぶ12.8kmの路線で、そのうち10kmは単線区間である。
その路線は高岡軌道線と新湊港線(鉄道線)とに分かれる。
高岡軌道線は1948年から富山地方鉄道によって作られ、1959年に加越能鉄道に譲渡された。
新湊港線は1922年の射水電気軌道に始まり、
1943年施行の「陸上交通事業調整法」で富山電気鉄道に譲渡され、
1966年に富山新港建設によって分断されて、高岡側が加越能鉄道に譲渡された。
加越能鉄道の鉄道事業撤退から廃線の危機にあったが、高岡市や新湊市が中心となって、
第三セクターの万葉線株式会社が設立され、2002年2月に再出発した。

 高岡軌道線/高岡駅前−六渡寺7.9km
 新湊港線/六渡寺−越ノ潟4.9km

主要株主/高岡市30.06%
       射水市30.06%
       富山県30.06%

 ※万葉線に関しては拙作「ライトレールの時代」を参照されたい。


 えちぜん鉄道株式会社/福井県福井市

えちぜん鉄道は2002年9月17日に発足した福井市や勝山市等が出資する第三セクターである。
京都と福井に鉄道路線を所有していた京福電気鉄道の福井に持つ路線を引き継いだ。
福井電鉄は2000年12月17日越前本線(現・勝山永平寺線)志比堺−東古市(現・永平寺口)間で正面衝突事故を起こし、
その半年後の2001年6月24日にも同線保田−発坂間で衝突事故を起こした。
これにより国土交通省は事故原因が解明し対策を施すまで業務停止を命令、
同年10月に福井県内の路線の廃止届けを国土交通省に提出した。
それを受けて地元自治体が第三セクターを結成して越前本線、三国芦原線を譲り受け、
越前本線を勝山永平寺線として順次再開し、2003年8月10日には三国芦原線全線が、
2003年10月19日には勝山永平寺線全線が営業再開した。

 勝山永平寺線/福井−勝山27.8km
 三国芦原線/福井口−三国港25.2km

主要株主/坂井市 17.4%
       勝山市 16.7%
       福井市 16.1%
       永平寺町 12.6%
       あわら市 7.0%
       一般株主42名 30.2%


 のと鉄道株式会社/石川県鳳至郡能都町

のと鉄道は1987年4月30日に旧国鉄能登線を引き継いで誕生した第三セクターで、
現在ではJR西日本が所有する七尾線七尾−穴水間で営業する第2種鉄道事業者である。
設立の翌年に能登線穴水−蛸島間を譲渡されて営業を開始し、
1991年9月1日には七尾線津幡−和倉温泉が電化開業したのに伴い、
非電化区間の七尾−輪島間を譲渡されて開業した。
しかし2001年4月1日には七尾線穴水−輪島間が廃止、2005年4月1日には能登線が全廃された。

 七尾線/七尾−穴水33.1km

主要株主/石川県 33.56%
       北國銀行 5.00%
       能登町 4.24%
       北陸銀行 4.22%
       興能信用金庫 4.00%
       整理回収機構 3.13%
       珠洲市 3.00%
       穴水町 2.64%
       七尾市 2.44%
       のと共栄信用金庫 2.44%
       その他 35.31%


 関西高速鉄道株式会社/大阪府大阪市

JR西日本片福連絡線の建設を目的に1988年5月25日に設立された第三セクターである。
同年10月28日に鉄道事業法に基づく第三種鉄道事業者の免許を取得、翌年3月より建設に着工した。
1997年3月に全線が開業し、路線名がJR東西線となった。

 JR東西線/京橋−尼崎12.5km

主要株主/大阪府 23.91%
       大阪市 23.91%
       西日本旅客鉄道 23.91%
       兵庫県 4.25%
       日本政策投資銀行3.39%
       みずほコーポレート銀行 1.98%
       三菱東京UFJ銀行 1.46%
       三井住友銀行 1.46%
       尼崎市 1.06%
       関西電力 1.06%
       その他134社
 ※2008年3月31日現在


 北近畿タンゴ鉄道株式会社/京都府京都市

北近畿タンゴ鉄道はKTRの略号で呼ばれる第三セクターで、
旧日本鉄道建設公団が建設した宮福線と旧国鉄特定地方交通線の宮津線を保有する。
1982年宮福鉄道の社名で設立され、1989年に北近畿タンゴ鉄道に社名変更された。

 宮福線/宮津−福知山30.4km
 宮津線/西舞鶴−豊岡83.6km

主要株主/京都府 44.72%
       京丹後市 9.25%
       宮津市 8.91%
       福知山市 6.44%
         地方公共団体合計 82.0%
       京都北都信用金庫 6.72%
       京都銀行 5.00%、他


 信楽高原鐵道株式会社/滋賀県甲賀郡信楽町

信楽高原鐵道は国鉄地方交通線だった信楽線を引き受け、
1987年2月10日に設立された第三セクター鉄道である。
信楽線は1933年5月8日に国鉄によって貴生川から信楽までが一気に全通した。
戦時中は一時、不要不急線として休止したが、1947年7月25日には再開した。
しかし1981年8月10日に第1次特定地方交通線として廃止が承認、
これを受けて第三セクター方式で継続が決定、
同社が1987年7月13日、JR西日本より転換された。
1991年5月14日に貴生川−紫香楽宮跡間の小野谷信号場付近で、
JR西日本の臨時快速との衝突で42名が死亡するという事故を起こし、
同年12月8日まで全線運休となった。

 信楽線/貴生川−信楽14.7km

主要株主/甲賀市55.1%
       滋賀県34.5%
       近江鉄道5.3%
       甲賀市区長連絡協議会信楽地域区長会2.9%
       滋賀銀行1.0%


 北条鉄道株式会社/兵庫県加西市

条鉄道は国鉄特定地方交通線の鉄道路線であった北条線を引き継いで、
1984年10月18日に設立された第三セクターである。
北条線は播州鉄道によって敷設され、戦時買収により国有化された。
1915年3月3日、播州鉄道によって粟生から北条町までが敷設された。
1923年12月21日に播丹鉄道に譲渡され、
戦時中の1943年6月1日に国有化された。
しかし1981年9月18日に第1次特定地方交通線として廃止が承認、
その後第三セクター化が決定、1985年4月1日に北条鉄道に転換された。

 北条線/粟生−北条町13.6km

主要株主/加西市32.0%
       兵庫県17.0%
       小野市5.0%
       加西商工会議所5.0%
       神姫バス5.0%
       三井住友銀行5.0%


 三木鉄道株式会社/兵庫県三木市

三木鉄道は国鉄特定地方交通線であった三木線を受け継ぎ、
1984年10月18日に設立された第三セクターである。
三木線はJR加古川線厄神から分岐して三木までを結んでいた路線で、
1916年11月22日に播州鉄道によって厄神から別所までが開業、
1917年1月23日に三木まで延伸し、全通した。
1923年12月21日には播丹鉄道に譲渡され、戦時中の1943年6月1日に国有化される。
しかし1981年9月18日に第1次特定地方交通線として廃止が承認され、
それを受けて1985年4月1にちに三木鉄道に転換された。
第三セクター化されたものの、赤字は累積し、
2008年4月1日に全線が廃止され、バス路線に変更された。
三木鉄道は精算会社として存続している。

 三木線/厄神−三木6.6km

主要株主/三木市51.66%
       兵庫県14.33%
       加古川市5.00%
       神姫バス5.00%
       三井住友銀行4.80%


 井原鉄道株式会社/岡山県井原市

旧日本鉄道建設公団建設線の井原線を運営する第三セクターで、
岡山県、広島県、総社市、倉敷市などが出資している。
1986年12月1日に設立され、1999年1月11日に井原線は開業している。
井原線はJR伯備線総社からJR福塩線神辺までだが、
総社−清音間は伯備線に乗り入れる第2鉄道事業者となる。

 井原線/総社−神辺41.7km

主要株主/岡山県
       広島県
       総社市
       倉敷市
       矢掛町
       井原市
       福山市
       その他


 水島臨海鉄道株式会社/岡山県倉敷市

倉敷から臨海部に延びる鉄道路線を有する第三セクターで、
国鉄や倉敷市などの出資により1970年2月2日に設立された。
同年4月1日より倉敷市交通局が所有していた全路線を譲渡され、営業を開始した。
路線は戦時中からあったが旅客営業が開始されたのは戦後になってからで、
現在でも旅客営業している倉敷市−三菱自工前の水島本線のほか、
港東線、西埠頭線などの貨物専用線を持つ。

 水島本線/倉敷市−三菱自工前−倉敷貨物ターミナル(貨物線)11.2km
 港東線/水島−東水島(貨物線)3.6km
 西埠頭線/三菱自工前−西埠頭(貨物線)0.8km

主要株主/日本貨物鉄道 35.3%
       倉敷市 35.3%
       岡山県 11.8%


 若桜鉄道株式会社/鳥取県八頭郡若桜町

若桜鉄道は国鉄特定地方交通線だった若桜線を受け継ぎ、
1987年8月6日に設立された第三セクター鉄道である。
若桜線は1930年1月20日に因美線郡家から隼が部分開業、
同年12月1日に若狭まで延伸し、全通した。
1981年9月18日に第1次廃止対象特定地方交通線として廃止が承認され、
第三セクターに転換が決定した。
1987年4月1日に国鉄分割民営化によりJR西日本に継承され、
同年10月14日に若狭鉄道に転換された。
しかし累積赤字により赤字補填基金が枯渇することになったため、
2009年4月1日に若桜町と八頭町に鉄道施設が譲渡され、第三種鉄道事業者となった。
若桜鉄道は第二種鉄道事業者として車両のみを所有し、再スタートした。

 若桜線/郡家−若桜19.2km(第二種鉄道事業)

主要株主/八頭町38.4%
       若桜町 27.0%
       鳥取県 15.0%
       鳥取市 9.6%
       その他金融機関等 10.0%


 錦川鉄道株式会社/山口県玖珂郡錦町

錦川鉄道は国鉄特定地方交通線だった岩日線を受け継ぎ、
1987年4月1日に設立された第三セクター鉄道である。
岩日線はその名の通り、山陽本線岩国と山口線日原を結ぶ路線として、
国鉄時代に敷設されたもので、
1960年11月1日に岩徳線川西から分岐して河山までが開業、
1963年10月1日に錦町まで延伸し、現路線が全通した。
本来はその先も建設される予定だったが、
1984年6月22日に第二次特定地方交通線として廃止が承認され、
国鉄分割民営化と同時にJR西日本に継承され、同日設立された錦川鉄道が、
1987年7月25日が岩日線を継承し、路線名を錦川清流線に変更して開業した。
また2002年7月7日から未成線の岩日北線錦町−雙津峡温泉の路盤に、
「とことこトレイン」と命名されたタイヤ付き遊覧車を運行開始した。

 錦川清流線/川西−錦町32.7km

主要株主/岩国市45.8%
       山口県16.7%
       広成建設7.5%
       山口銀行5.0%
       中国電力5.0%


 智頭急行株式会社/鳥取県鳥取市

姫路−鳥取間を結ぶ山陽本線と山陰本線の連絡船として計画され、
1966年に智頭線として建設が開始されたが、
国鉄再建法によって工事が凍結された。
その路線を引き継いで設立された第三セクターが智頭鉄道で、
1987年に工事が再開され、1994年12月3日に開業した。
開業前に智頭急行に社名変更されている。

所有車両の形式記号のHOT7000形などの“HOT”とは、
出資している3県、兵庫県(H)、岡山県(O)、鳥取県(T)を表している。

 智頭線/上郡−智頭56.1km

主要株主/鳥取県
       岡山県
       兵庫県
       鳥取市
       八頭町
       智頭町
       西粟倉村
       美作市
       佐用町
       上郡町
       西日本旅客鉄道
       山陰合同銀行
       その他、計47名


 土佐くろしお鉄道株式会社/高知県中村市

国鉄再建法により建設が凍結された宿毛線と阿佐西線を引き受けるために、
高知県や沿線自治体が出資して出来た第三セクター鉄道である。
1986年5月8日に設立され、
1988年4月1日には宿毛線に接続する中村線を引き受けて開業した。
同年10月1日に宿毛線も開業した。
しかし阿佐西線の建設には時間がかかり、開業したのは2002年7月1日になってからだった。
阿佐西線は開業時に阿佐線と改称され、ごめん・なはり線との愛称が付けられた。
阿佐線には高知出身の漫画家やなせたかし氏が駅のイメージキャラのデザインなどを手がけている。

 中村線/窪川−中村43.0km
 宿毛線/宿毛−中村23.6km
 阿佐線(ごめん・なはり線)/後免−奈半利42.7km

主要株主/高知県 49.1%
       23市町村(宿毛市、安芸市、四万十市など) 41.1%
       民間企業9社 9.2%
       民間団体8団体 0.6%


 阿佐海岸鉄道株式会社/徳島県海部郡宍喰町

阿佐海岸鉄道は日本鉄道建設公団建設線だった阿佐東線を引継ぎ開業させ、
運営している第三セクター鉄道である。
阿佐東線はJR四国牟岐線に接続する路線であり、
改正鉄道敷設法により阿佐線として計画された路線の一部である。
阿佐西線は土佐くろしお鉄道によって阿佐線として開業した。
1988年9月9日に設立され、
1992年3月26日に阿佐東線海部−甲浦間が開業した。

 阿佐東線/海部−甲浦8.5km

主要株主/徳島県35.0%
       高知県10.0%
       海陽町27.0%
       その他20市町村計11.6%
       阿波銀行5.0%
       その他金融機関2行4.0%
       民間団体7団体7.4%


 甘木鉄道株式会社/福岡県甘木市

甘木鉄道は国鉄の第1次特定地方交通線の甘木線を引継ぎ、
1985年7月11日に設立された第三セクター鉄道である。
甘木線は鹿児島本線基山から分岐して天木までを結ぶ路線で、
1939年4月28日に全線が同時に開業した。
1981年9月18日に第1次特定地方交通線として廃止が承認された。
それを受けて沿線地方自治体や貨物輸送を行っていた麒麟麦酒などが出資して、
第三セクターの甘木鉄道が設立された。
1986年4月1日に甘木線を引継ぎ、開業させた。

 甘木線/基山−甘木13.7km

主要株主/朝倉市、小郡市、筑前町、大刀洗町、基山町、東峰村、
       朝倉商工会議所関係、福岡県土木組合甘木支部関係、
       甘木朝倉建設業組合関係、麒麟麦酒(株)、沿線住民


 平成筑豊鉄道株式会社/福岡県田川郡福智町

平成筑豊鉄道は国鉄特定地方交通線の伊田線、糸田線、田川線を引き継ぎ、
1989年4月26日に設立された第三セクター鉄道である。
社名は1988年に一般公募し、1989年(昭和64年)1月7日に決定する予定だったが、
この日に昭和天皇が崩御し、年号が“平成”に改められたため、
社名を「平成筑豊鉄道株式会社」とした。
1989年10月1日にJR九州より伊田線、糸田線、田川線を転換して開業した。
また2009年4月26日より廃止された貨物線跡を利用して、
門司港レトロ観光線を開業させた。
北九州市が路線を所有し、平成筑豊鉄道が第3種鉄道事業者として列車を運行している。

 伊田線/直方−田川伊田16.1km
 糸田線/金田−田川後藤寺6.8km
 田川線/行橋−田川伊田26.3km
 門司港レトロ観光線/九州鉄道記念館−関門海峡めかり2.1km(第2種鉄道事業者)

主要株主/福岡県27.47%
       田川市14.84%
       直方市6.59%
       行橋市6.59%
       福智町2.34%
       みやこ町2.34%
       香春町1.17%
       糸田町1.17%
       赤村1.17%
       小竹町0.59%
       その他民間・法人等65団体計35.72%


 南阿蘇鉄道株式会社/熊本県阿蘇郡高森町

南阿蘇鉄道は国鉄特定地方交通線であった高森線を引き継ぎ、
1985年4月1日に設立された第三セクター鉄道である。
高森線は豊肥本線の前身である宮地線の支線として1928年2月12日に開業した。
同年12月2日に豊肥線が全通し、高森線として分離された。
1981年9月1日に第1次特定地方交通線として廃止が承認、
1984年に第三セクター化が決定し、
1986年4月1日に南阿蘇鉄道に転換された。

 高森線/立野−高森17.7km

主要株主/南阿蘇村56.5%
       高森町33.9%
       山都町7.0%
       西原村2.5%
       大津町0.1%


 くま川鉄道株式会社/熊本県人吉市

くま川鉄道は国鉄特定地方交通線であった湯前線を引き継ぎ、
1989年4月26日に設立された第三セクターである。
湯前線は1924年3月30日に人吉から湯前までが敷設され、
更に妻線杉安駅までの延伸が計画もあったが実現せず、妻線も1984年に廃止になった。
1987年2月3日に第3次特定地方交通線として廃止が承認、
同年4月1日に国鉄分割民営化によってJR九州に引き継がれ、
1989年10月1日にくま川鉄道に転換された。

 湯前線/人吉温泉−湯前24.8km

主要株主 人吉市 15.8%
あさぎり町 11%
湯前町 7.4%他


 松浦鉄道株式会社/長崎県佐世保市

松浦鉄道は国鉄特定地方交通線であった松浦線を引き継ぎ、
1987年12月10日に設立された第三セクター鉄道である。
松浦線は有田から吉井間が伊万里鉄道によって敷設され、
佐世保から吉井までが佐世保鉄道によって敷設された。
伊万里鉄道は1898年8月7日に有田から伊万里までを開業させたが、
同年12月28日に九州鉄道に合併された。
1907年7月1日に鉄道国有法によって九州鉄道が国有化され、
1909年10月12日に国有鉄道線路名称制定によって伊万里線となる。
1930年3月21日には楠久まで延伸、10月1日には今福まで延伸、
1933年6月25日には志佐(現・松浦)まで延伸、
1935年8月6日には 平戸口(現・たびら平戸口)まで延伸、
1933年1月25日には潜竜(現・潜竜ヶ滝)まで延伸、
そして戦時中の1944年4月13日に肥前吉井(現・吉井)まで延伸開業した。
一方、佐世保軽便鉄道は石炭の運搬のため、
1920年3月27日に相浦から大野(現・左石)を経て柚木までを開業させた。
1921年10月17日には大野から上佐世保まで延伸した。
佐世保軽便鉄道は1923年12月26日に佐世保鉄道に社名を変更した。
1931年8月29日には実盛谷から四ツ指(のちの四ツ井樋)を経て臼ノ浦までを開業、
同年12月27日には四ツ指から佐々までを延伸、
1933年10月24日に岡本彦馬専用鉄道を買収、佐々から吉井を経て世知原までを延伸した。
1936年10月1日に佐世保鉄道全線が国有化され、松浦線となった。
軽便鉄道として開通していたため、狭軌に改軌が行われ、
1935年11月9日には北佐世保から佐世保までを延伸、
1943年8月30日には上佐世保から左石までを廃止、実盛谷から相浦までを廃止した。
1945年3月1日に肥前吉井−世知原間を世知原線、佐々−臼ノ浦間を臼ノ浦線、
左石−柚木間を柚木線として分離し、松浦線は有田−伊万里−佐世保間とした。
1984年6月22日に第2次特定地方交通線として廃止が承認され、第三セクター鉄道への転換が決定した。
1987年4月1日には国鉄分割民営化によってJR九州に継承、
1988年4月1日に松浦鉄道に転換、路線名を松浦線から西九州線に変更した。

 西九州線/有田−佐世保93.8km

主要株主/長崎県13.67%
       ラッキー自動車、辻産業、西肥自動車各10.17%、他



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